善神山へ行こう!
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下記写真の場所
  

皿ヶ嶺連峰ファンにはおなじみの上林街道の玄関口、
下林地区の県道交差点。
横切る県道23号伊予川内線を渡り、
県道209号美川松山線(上林街道)を上ります。
この交差点からも目指す善神山の尖った、
シンボリックな頂を望むことができます
(ちなみに、尖って見えているのは前峰の前善神山)。



昔ながらの茶堂が残る八幡地区を通過中、
その丘の上になにげに食品工場ができてました。
2000年代初め、犬のテーマパーク「愛媛わんわん村」があった敷地が、
工業団地として整備されたようで-

入口の道路もきれいになってました。
以前からある「高畠華宵大正ロマン館」は、
相変わらずの毎週土・日・月曜日のみ開館のマイペース営業中。



訪ねた日はホントにお天気が良くて、
前日は力仕事でくたくただったんだけど、
早起きしてきた甲斐がありました。
桜も散って、いよいよ新緑の季節となりました。
県道を奥に進むにつれ、みどりみどりした山並みが迫ってきます。
日なたでじっとしてると、
陽の光が暑いくらいに感じられた一日の始まりです。



上林小学校んとこ。

  

「皿ヶ嶺・上林観光案内図」



山裾の段々畑の眺めも美しい谷地区辺り。

  

(写真左から)善神山、陣ヶ森、上林峠、皿ヶ嶺方面をアップで。



伊予鉄バスの終点、その名も「上林皿ヶ嶺登山口」と-

  

下のと少し違う「皿ヶ嶺・上林観光案内図」



写真右の道の方が近道だけど、
狭くて急坂な生活道なので、そのまま、
大きい道を直進します。

大きく蛇行しながら高度を稼いでく県道。
交通量の割に立派な道です。



皿ヶ嶺の裾野を覆う森林と、
先人がこつこつ切り拓いて天に至る勢いの
段々畑がせめぎ合う湧水地区を一望。

  

この先、県道はその段々畑を大きく右に横切り、
送電鉄塔の立つ森から出て、
また段々畑を今度は左へ横切って行きます。



  

善神山方面から流れ下ってくる
拝志川に架かる荒谷橋を渡るカーブ。
ちなみに、登山口へは荒谷橋を渡ってすぐの
農道を上っていくのが近道だけど、
今回はまじめに県道を進みます。

後で遡行していく拝志川源流の谷。

カーブを過ぎたこの丁字路も近道だけど-

急坂だし、地元車・農耕車優先なので、パス。



民家が集まってるところを通過し、
送電鉄塔を避けるように回り込むカーブには-

引地山(赤柴峠)への登山口。

「赤柴峠 100分 水の元 55分 ↑」

カーブを曲がると路肩が広く取られていて、
冬の皿ヶ嶺登山者の駐車スペースになる場所です。



  

右に分かれる道は、
皿ヶ嶺や久万の畑野川方面に通じてる林道上林河之内線。

その角に立つ様々な道標。
今回、善神山へは「←左.白糸の滝」の案内に従って進みます。

段々畑の中をもう少し、県道をたどって行くと-



不意に県道が途切れます。
東温側の県道209号線はここまで。

「←白糸の滝 800m」に従い、狭い道へ入ります。

1.5車線ほどなので地元車優先・安全運転で。

さっきから見えてた拝志川北岸斜面の伐採地、
見事に皆伐されてますね。
あ、もひとつ奥にも伐採地が。
戦後に植えた木がやっと収穫期を迎え、
いまの日本にはものすごい資源が眠ってます。
木は金にならないとか云うのは、国の無策のせい。
どんどん有効活用して欲しいものです。



道はいよいよ森の中へ。
濡れたスギの落ち葉で滑りそうな道を、
くねくね上って行くと-



昭和な公衆トイレと駐車スペースがある-

「白糸の滝」遊歩道入口です。

  

手前にある「皿ヶ嶺観光案内図」
善神山もちゃんと描かれていますが、
ちなみにこの地図にだけ、
「鴨ヶ岳」が載ってます。

遊歩道入口に立つ白糸の滝の看板。
近年、新しく建て替えられたみたい。

お山歩帰りにでも見に行きたい白糸の滝へ。

白糸の滝から流れてくる沢に架かる橋を渡り、
先の看板の横を入り-

遊歩道へ。

コンクリートで補修された石段を登って行くと-

左の崖の下に岩で囲まれた壇があります。
数年前に来たときは山之神の祠が祀ってあったと思うんですが、
落石らしい岩が転がり、崖崩れに見舞われたようで-

祠の跡になぜか岩が積んでありました。
祠も「山之神」と彫られた石柱も無くなってます。

訪問時は普通に滝まで行けたのですが、
大型台風が県内を通過した後などに訪れたときなどは、
倒木や落石、小規模な土砂崩れなどで遊歩道が荒れていたときもありました。
左右とも急峻な谷に囲まれていますので、
大雨みたいな自然災害に弱い地形となっています。
また、深い谷底に陽の光があまり差さず、
コケや濡れた落ち葉で滑りやすいので、足下注意です。



滝までの道中、3つの橋が架かっています。
狭い階段を登って渡るひとつめの橋は、

古い橋ですが、鉄骨で丈夫な作りです。

手すりもあるし、木の板も腐ることなく、
安心して渡ることができます。 

橋の上から上流を眺めて。

ひとつめの橋からジグザグと斜面を登り、
ふたつめの橋へ。

渡った後、左へ一旦登り、右へ折れて-

斜面に付けられた狭い道を登りますが、
途中、小橋が崩れ落ちた場所もあり、
気を付けて歩いて下さい。

自然石の石段を登ると-


3つめの橋を渡ります。

岩場な岸をたどり登ります。
急な段差には階段も設置してありますが、
昔、落石を受けてちょっぴり傾いてます。

少しずつ、白糸の滝の立てる水音で騒々しく。

道ばたの花。

なんて名前の花だろう…。
花は葉っぱの下に咲いてました。



急な石段を登り詰めると-

白糸の滝に到着しました。
滝のすぐ目の前にベンチがある小さな広場。

濡れた岩に慎重に足を載せて、正面から。
滝が起こす風圧がしぶきを伴って迫ってきます。

落ち口をアップで。

白猪の滝より、白糸の滝の方が好きです。
あまり観光地化されてなくて、
いつ来ても一人静かに観賞できるから。

では、林道へ戻り、善神山登山口へ向かいます。
白糸の滝入口から先も落ち葉が積もる山影の道です。
行き止まりの林道は行き交うクルマも無く、とても静かです。



林道と拝志川源流の河原との高低差がだいぶ少なくなってきました。
この場所は以前、崖崩れなどがあった場所のようで、
路面も右側の斜面も手が加えられています。



  

林道の分岐。
林道の本道は左の大影地橋を渡って行きますが、
善神山登山口に通じる道は右の支線です。

右折し、急坂を上ります。
落ち葉でタイヤが滑るくらいの坂です。



源流は道のすぐ下を流れてます。
道路はフラットに簡易舗装され、安全に走れました。
前日の雨でできた水の道が路面を洗うように流れてました。
坂道をどんどん上って行くと-



堤防の横で傾斜は一段落。
道が平らになったかと思ったら-

不意に道が行き止まりました。
この林道の終点が善神山の登山口です。
車が転回できるほどのスペースがあります。

林道を振り返ったら、V字谷越しになにか見えたので、
堤防に上がって目をこらしたら-

あ、海が見えた!

  

見えた島影は由利島でした。
奥に山並みは周防大島です。

  

山側はこのように拝志川源流によって、
道が行き止まりになっています。
二つの沢が出会う落合いになっていて-

向かって右側の沢が一番にぎやか。

左の沢はおとなしめ。

登山道はその左の沢ぞいに進みます。
この丸太橋から登山道が始まります。

ひとりごと

今回は久しぶりに皿ヶ嶺連峰のお山歩です。
以前はよく、皿ヶ嶺にも頻繁に訪れていました。
この頃は、未見のお山に行くのを常としていたので、ホントにご無沙汰でした。

早起きしたら、それはそれはいいお天気で、誘われるように急いで支度、飛ぶようにお山へ向かいました。
いつものように重信川に架かる上重信橋を渡り、県道を皿ヶ嶺に向かってスクーターを走らせると、丘の上に大きな倉庫が目に入りました。
しばらく来ない間に工業団地ができたんですね。
でも、それ以外は道沿いに新しい家がぼちぼち建ったくらいで、段段と続く畑の田園風景はほとんどそのまま。
変わらない風景に心が和むのは、また少し歳をとったせいかなぁ。

白糸の滝も久しぶりでした。
ちなみに、上記では登山口に着く前に訪れた流れになっていますが、実際は、善神山から下山後に訪ねました。
なので、遊歩道入口辺りを撮した写真を見比べると、光線の具合が異なります (^^;)
下山後で足取りがかなりヘロヘロだったのもあり、滝までとても遠く感じました。
橋を2つ渡ったらすぐのような気がしたのに、3つめの橋があるし、そこからまだ登るし。
十回以上は来たはずなのに、すっかり忘れちゃってる自分がいました。
そう、白糸の滝の遊歩道の面白いところは、この3つの橋を渡っていくところ。
谷が狭く急峻なため、ただ歩いていくというわけにいかず、橋が架けられています。
雪の積もったときなど、橋の上からモノクロの谷を眺めることができて、月並みな表現ですが、水墨画のような風景が寒さを忘れさせてくれます。
橋を3つも架けるなんて、昭和な時代に町が整備したんだと思いますが、結構、気合い入ってたんですね。
橋は頑丈で度重なる台風被害にも直撃を免れてきましたが、歩道部分は落石や土砂崩れ、倒木に悩まされてきました。
倒木なんかは、僕がよく訪ねてきていた頃はしょっちゅうで、どこから落ちてきたのか、大きな木がよく横たわっていたりしました。
階段の手すりがいつの間にか曲がっていたり。
今回の訪問でも、歩き始めてすぐにあった山之神の祠が、基礎だけを残して無くなっていました。
3つめの橋を渡った後の斜面を横切っていくところでも2mほどの橋が落ちていたり、路肩が落ちて道幅が狭くなっていたところも。
新聞沙汰やクレームに異常に敏感な現代の市町村が管理する観光地の施設としては通行禁止レベルな部分もありました。
そういう面では、日浦の方の、簡易舗装された遊歩道がある白猪の滝の方が家族連れには安心かも知れませんね。
そして、夕暮れが近づき、カメラもフラッシュ焚いて撮れとメッセージが出るくらいの明るさの中、やっとこさ、滝に到着。
白糸の滝もまた、昔のまんまでした。
“白糸”という割には、滝口に風が起きるくらい、水はいつもザーザーと落下して騒々しい滝です。
滝壺の目の前にある広場には誰もいなくて、寂しいくらいでした。
滝壺と云っても、岩などが堆積し、深さなどはありません、落ちた水はすぐに流れ下って行きます。
水量の多いときなどは、ベンチの方まで飛沫が飛んでくるときもありますが、訪問時はおとなしかったです。
本当に、白糸の滝はいつ来てもほとんど人がいません。
白猪の滝の方は駐車場が整備されてたり、観光地っぽくなって人も多いですが、白糸の滝は静かです。
滝が近いってだけでお金を取る変な有料駐車場なんかもありません。
ひとり静かに滝と語らうことができる白糸の滝が僕は大好きです。

最近、山岳遭難のドキュメントなどを読む機会が増えました。
滝の周りの切り立った崖を見ていると、道に迷った登山者が谷に沿って下ってしまい、大きな滝に出会って進退窮まった、という話を思い出します。
白糸の滝も絶壁に囲まれていますが、遭難中、こんな滝の上にたどり着いてしまったら、最悪だろうなぁって。
道迷いのセルフレスキューのセオリーは、下ってはいけない、登れ、元来た道が分かるなら引き返せ。
見晴らしのいい場所や尾根筋まで登り返してみる、が正しく、決して無闇に下ってはいけません。
登り返すのは体力的に躊躇してしまい、下ることを選んでしまいがちですが、崖や急斜面で行き詰まることが多々あるからです。
「川はいつか平地にたどり着くんだから…」などと安易に考えていると、山間部の川には大抵、滝が存在します。
それが白糸の滝のような絶壁でできた滝だったら、完全にアウトです。
「道に迷ってこんな滝の上にたどり着いてしまったら…」などと、ついつい、考えてしまいました。
ちなみに、善神山の登山ルートを紹介しているサイトでは、陣ヶ森の先から縦走路を北に外れ、尾根をたどり下るルートが紹介されています。
その道筋は白糸の滝の上部をかすめています。
一応、コース設定された方が滝に繋がる支尾根の分かれで部分に「通行禁止 危険 直進すると滝の上です」の看板を立てられています。
けれど、もっと手前で道に迷い、谷に入り込んでしまった場合、あっけないくらいに白糸の滝にたどり着き、行き詰まります。
道標も整備されていませんし、道標があっても道を知らない人の身になって立てられているとは限りません。
地図もコンパスもGPSも持っていない状態で、「前、みんなと降りた道だから…」などと安易に下るのは危険。
以前はなかったササのヤブが繁茂して道が消えていたりして危険だったりしますので、十分ご注意申し上げます。

さて、善神山登山口に向かう林道ですが、白糸の滝の入口から先は一度も入ったことがありませんでした。
知らない道に発見と出会いを期待し、ドキドキしましたが、よくある奥地の川沿いの林道って感じでした。
せせらぎを横目にしながら走るのは気持ちがよく、源流沿いの林道は空気を吸うだけで充分、体が健康になれる気がします。
橋の手前から支線に入り、お疲れスクーターが必死になった急坂を登り切ってたどり着いた終点が登山口でした。
車一台もない広場に駐車し、支度を調え、すぐに丸太の橋を渡りました。

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