皿ヶ嶺へ行こう!
2013初秋
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山頂~十字峠~竜神平

※下が北になっています
距離 約1.1km
標高差 約120m
林道・農道・私道
徒歩
下記写真の場所

山頂広場北側の降り口から竜神平へ下山します。
ちなみに、山頂と竜神平を結ぶふたつのコースの長さを比べると、
さっき上がってきた東回りは、900m足らず、
これから下る十字峠経由は、1000mちょっと。
大抵の方は、同じコースの往復じゃつまらないので、
東から上がって十字峠経由で下ったり、またはその逆と、
周回する感じでお山歩される方が多いようです。



山頂から三角点峰に至る尾根に沿って下りますが、
西側斜面の植林帯と、東側斜面の自然林を分かつように、
登山道は通っています。



  

山頂から250mほど下ると道ばたに三角点があります。

地図上の三角点の印△=山頂と思い込む人が多く、
県の案内図でさえここが皿ヶ嶺山頂と誤植する始末。
数年前までたくさんの山頂標がならんでいました。

「行長」二等三角点、
標高は、1270.50mです。

三角点の後ろのササ原には、皿ヶ嶺を愛した山男たちの墓碑が、
複数、設置されているのをご存じでしょうか。
始めて皿ヶ嶺に登ったとき、当時、僕もこの三角点が山頂だと思っていましたが、
そのときはササも薄く、三角点の後ろにある石のプレートがすぐ目に入りました。
そのときの記憶を頼りに、ササの中を探してみたら、ありました。
「山を愛した男 巻田進」、そのプレートに記された日付、
「昭和60年8月12日」は、あの日航ジャンボ機墜落事故の日。
東京での会議に出席したその帰りに乗った123便が墜落。
大学の同じワンゲル部員だった方が設置されたようです。
そのほかに「故山本卓君追悼碑 昭和32年10月」。
「山男 松平鶏助君 ここに仆る 1979.2.9 松中OB山の会/愛媛県庁山の会」。



北へ向かって植林帯を下ります。

※2022年現在、西側の植林帯は皆伐され、
写真のような林ではなくなっています。

途中、水の道ができて、溝のように深くなったところと、
それを嫌って林の中を歩いてできた新しい踏み跡が、
並んで通っている場所があります。



まっすぐ降りてきた道が西向きにかくっと左折します。
竜神平のある東向きじゃないので、
方向音痴じゃない人は一瞬、あれ?っと戸惑うと思いますが、
どんどん下ると-



  

久万、引地山、竜神平、山頂、文字通り4つの分岐の「十字峠」に着きます。
360度、森なので峠っぽく見えませんが、
久万高原町と東温市の市町境でもあります。

※こちらも2022年現在、久万側の植林帯が皆伐され、
景色がまったく変わっています。

錆びて字もろくに読めなくなっていた鉄の道標は、
木製の道標に変更され、分かりやすくなっています。

山頂からだと左折し植林帯を下るのが久万六部堂方面。

直進方向になるのは引地山方面。

帰路、竜神平方面は右折となります。
さらにどんどこ下って行くと-



  

丁字路に出ます。
ここは2万5千分の1の地形図に載っていない丁字路です。
現地調査をちゃんとしてないガイドブックにも載っていません。
でも、ずっと昔から道も丁字路もありました。

「あれ? どっちへ行けばいいの?」と、
戸惑った皿ヶ嶺初心者は少なくないと思います。
僕は真冬に「←風穴」の道標を見たとき、
“えっ? 近道? あれ? ココハドコ?”ってなりました。

下から登って来た人は「山頂 六部堂 →」道標に従って、
登って行けばいいんですが-

下りに「← 風穴」の道標を見ちゃった人は、
“風穴→竜神平→山頂って登ってきたんだから、
「← 風穴」へ降りたら竜神平に戻れる”と勘違いしがちです。
でも、竜神平には出られません。
一気に風穴登山口へ降下します。
友人と竜神平で待ち合わせなんかしてたら、
当然、逢えません。
で、遭難したんじゃないかって大騒ぎになるかもです。

竜神平へは丁字路を右折です。
この場所には、さっきの十字峠も含めて、
地図で解説する案内板があれば親切だと思います。
携帯電話がある現代では、風穴に降りてしまい、
竜神平の待ち合わせに合流できなくても、
遭難騒ぎに発展することはないと思いますが。
単独行動しがちな人ってたくさんいます。
道を間違えたせいで、竜神平でのランチに参加できないのもかわいそうなので。

水が溜まりそうな場所には、
太い木の枝で道を分けて水路を確保したり、
最小限のうちに谷側へ水を逃がす水切りなど、
様々に整備されています。



西日と傾斜のせいで影が映り込んでしまいました。
丁字路以降はどんどん降りて行きます。
逆に登ってくるときはこの辺りが一番しんどいかな。



まわりは野鳥の声が響き渡る静かな深い森。
静かすぎるせいで、自慢入ったうんちく話とか、
よその登山者の会話まで聞こえてきたりします。

北向き斜面のため、地面は常に湿ってます。
ほかにも濡れた落ち葉や木の根など、
登山靴でも滑りやすい仕掛けがたくさん。



道は右下へぐぃっと急坂して落ちて行きますが、
突き当たりには-

大きな岩の上のテラスがあります。

下から見ると、道とテラス岩はこんな感じ。

テラスは唯一、下界が見下ろせる場所。

  

ちら見だけど、松山城も見えます。

こっちのコースで一番、急坂な場所。
上から撮ってもよく分からないので-

見上げて 1

見上げて 2



植林帯を降りて行きます。
植林帯に入れば竜神平はもうすぐ。

道が二股になってる場所がありました。
雨水等で凸凹になったのを嫌って違う場所を歩いてできた勝手道かな。
どっちを歩いても合流するけど、階段の丸太がある左が正解。



竜神平間もなくの植林帯は、空気もどこか潤っていて、
岩や倒木がコケむしています。
たまに、粘土っぽい地面を体重乗せて踏み込んだ瞬間、
ぬるりん!っと滑って尻もちつきそうになったり (^^ゞ
クルマの運転も登山も、目的地に着く直前が危ないにゃ。



竜神平に出ました。

  

皿ヶ嶺周辺案内図んとこです。
右折すれば竜神平、左に曲がれば風穴へ帰れます。



おまけ。
今回は、2、3時間のお山歩でお昼過ぎには下山し、
川内のさくらの湯に入ってるつもりでした。
でも、花の写真とか撮ったり、竜神平を周遊してたりしてたら、
もう夕方が近い…。

降り立った風穴の駐車場には、もうクルマがいない…。
いつのまにか、最後になっちゃったみたい。

帰りの林道はエンジン切ったエコ下り。
スピードが出ないせいで-

なにげないものが目に付いたりします。

卵をいっぱい抱えたサワガニだったり-

バッタだったり。

でもちゃんと、さくらの湯にも入ったよ。

石鎚から昇ったお月様。
温泉出たら夕暮れでした。

ひとりごと

十字峠に向かって帰りは下山。
途中、三角点に立ち寄り、墓碑を捜索。
初めて皿ヶ嶺に登ったときに、偶然、目にした墓碑。
あのときは、ササもいまほどには茂ってなくて、墓碑のプレートはちゃんと顔を出してました。
その光景は妙に心に残っていて、山頂からのパノラマより、思い出す回数が多いほどです。
でも、あれ以来、素通りしたりして、全然、見たことがありませんでした。
長いこと見てないと、見間違えてるような気にもなってきたので、今回のお山歩ついでにちゃんと見ておこうと思った次第です。
三角点の後ろのササをガサガサ探せば、すぐに見つかります。
正直なところ、三角点の場所は山頂じゃないんですけどね。
国土地理院の地形図でも、山頂部分に標高点が打たれたのは最近のこと。
三角点の△マークが山頂の印だと思ってる人も多く、を山頂扱いしている一般地図、ガイドブックも少なくありません。
市町村の資料や詩誌でも三角点の標高を皿ヶ嶺の標高にしているものがあり、そう云う意味では、往時はここが山頂でありました。
石鎚山は山頂社のある弥山が山頂みたいに扱われてて、ホントの山頂の天狗岳は最高峰って別格な感じに見られてる。
最高峰=山頂ではないことはよくあることです。
往時の皿ヶ嶺は、スキー合宿、皿ヶ嶺連峰縦走のベース。
高校、大学の山岳部やワンダーフォーゲル部に所属する若い登山者に愛されたお山でした。
故に、竜神平小屋も建設されました。
その頃に培われた絆は大人になっても切れることなく、それが形になったのが三角点裏の墓碑なのでしょう。
県立自然公園内なので、プレートだけで、墓碑の下に遺骨などはないと思います。
設置許可云々の話は無粋なので触れません。
僕は死んだら、お墓なんかいらない、入りたくない。
お山にでも散骨して欲しいって常日頃、思っています。
できれば八ヶ岳の麦草峠とか、思い出の地を見晴らせる場所に、こそっと撒いとくれって。
八ヶ岳ならなんだかんだとテレビに出てくる、その度、思い出してもらえるだろうし。

竜神平に戻ったのは午後3時前、竜神平を周遊して風穴に着いたのは午後4時でした。
秋の日はつるべ落とし、北斜面に位置する森林公園は山の陰に沈んでました。
と云うわけで、皿ヶ嶺お山歩終了。
修正された案内看板、リニューアルした竜神平小屋、三角点裏の墓碑、目的はちゃんと果たせました。
ホントは、お昼過ぎには下山してたかったけど、それは仕方ないか。
で、さらにもうひとつあった目的を果たすべく、川内へ。
どこでもいいから温泉に入って帰りたかったのでした。
さくらの湯じゃなくてもよかったんだけど、しばらくぶりだったので行ってみました。
明るい時間に入るお風呂は気持ちがいいですね (^O^)
ぬるぬる泉質なお湯にどっぷりつかって、お山歩疲れを落としてきました。
お山歩と温泉がセットだった頃もあったけど、いつからか温泉は贅沢じゃとスルー。
帰りも遅くなるし、着替えとか荷物も増えると言い訳。
でも、やっぱりいいわぁ、温泉。
さくらの湯は大人400円、よそに比べたら100~200円は安いので、また来ようっと。

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