2013初秋
風穴~竜神平 | |||||||||||||||||||
※下が北になっています |
|||||||||||||||||||
①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪⑫⑬⑭⑮⑯ | |||||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||||
①風穴へのスロープ。
皿ヶ嶺には貴重な植物も多いですが、
なぜ貴重呼ばわりされるようになったのか考えましょう。
スロープを登って左にある石碑には-
「風穴」の文字が堂々と彫りこまれています。
②すぐに風穴、風穴登山口です。
北斜面に位置しているので、日が差すのもお昼時だけ、
真夏でもひんやりと涼しい場所です。
風穴というのは洞窟や岩盤の割れ目から、
温度差を持った冷気が吹き出す自然現象のことで、
主にその背後に空気を冷却する装置である洞窟を有しています。
洞窟を有すものは“ふうけつ”と読み、
人が入れるような洞窟を持たないものは“かざあな”と区別されます。
皿ヶ嶺の風穴は洞窟を持たないため、“かざあな”と読むのが正しいです。
岩の隙間に吸い込まれた空気が岩盤で冷やされ、
下部からあふれ出しているとみられます。
面河の大成にある風穴はその冷風を活かし、
天然の冷蔵庫として蚕種蔵庫に利用されていました。
柵で四角く囲まれた窪地があります。
横に立つ見学棟から見下ろすと-
深さ2mほどの四角い窪地で植物が育てられています。
この植物は“ヒマラヤの青いケシ”と呼ばれる、
メコノプシス・グランディス(Meconopsis grandis)。
標高4000m地帯のような冷涼な場所に咲き育ち、
日本では高山地帯や東北以北など場所を選ぶ植物です。
青い花を見せてくれるのは6月から7月の間。
僕が訪ねた頃は花弁もすっかり落ちて、
毛で覆われた種袋があるのみでした。
この風穴横の階段が皿ヶ嶺登山のスタート地点。
③まっすぐ登り切り、
下の駐車場方面から上がってきた階段と合流したところで、
道標に従って右にくいっと曲がります。
高度を稼ぐため、大きくジグザグ登りますが、
ここはそのひとつ目の角です。
途端に巨木が出迎えてくれます。
門番のような巨木、旺盛で一安心。
急傾斜地なので、落石もちらほら。
④左にくいっとターンするふたつ目の角。
道の真ん中に居座る大きな岩。
この日は一眼レフカメラや三脚を肩に背負った人をよく見かけました。
少し歩いてはシャッターを押し、また三脚を構えてパシャリ。
被写体は、登山道沿いに咲く花たち。
僕も真似して撮ってみました。
季節ごとに様々な花が咲く皿ヶ嶺。
オオバショウマ。
線香花火みたいな花は、ヒカゲミツバ。
レイジンソウ。
ハガクレツリフネ。
⑤3つ目の角を曲がり、また直線。
角から角の距離は大体、100~150mほどです。
青いペンギンみたいな花は、シコクブシ。
トリカブトの仲間で、毒のある花です。
⑥4つ目の角は近年、分岐になりました。
直進すると十字峠、通常は左にくいっと曲がります。
「← 竜神平 経由 皿ヶ嶺 十字峠 経由 皿ヶ嶺 →」
どちらを進んでも皿ヶ嶺じゃ、皿ヶ嶺初心者は余計混乱するかも。
十字峠経由は途中、濡れ落ち葉で滑る急坂もあるコース。
コースタイムや難易度など、
選択のヒントの表示も欲しいですね。
4つ目の角以降は東に向かってまっすぐというか、
沢でカーブするくらいで、急な曲がり角はありません。
傾斜はじわじわモード、森林浴状態で竜神平を目指します。
オオバショウマ。
アキチョウジ。
登山道を彩る可憐な花々を、
雨風から優しくかばっているような大木。
⑦小沢を横切りますが、雨の影響で土砂崩れが起きた模様。
すでに修復済みですが、長居は無用、とっとと通過。
谷上部から落石がくるかもしれませんから。
⑧基本、急坂は階段等に整備してありますので、安心して歩けます。
ただ、足をすくう浮き石には注意してね。
倒木で木立に切れ間ができて-
さっき上ってきた上林の谷が見えました。
谷いっぱいに耕作地が拡がってますね。
別の隙間からは松山と重信の境辺り。
中央に見える建物は四国がんセンター。
⑨気温的にはもう長袖が似合う皿ヶ嶺でしたが、
まだまだ緑は濃い、秋はまだ遠い。
空の迷路も緑色。
そんなに急じゃない階段にロープがありますが、
積雪期用のガイドロープでしょう。
道幅は狭く、大人二人は並んで歩けません。
⑩雨よけがない場所の丸太のイス。
コケにも浸食されて、もう座れません。
ほかの丸太たちも自然に還りかけてます。
キノコも自然に還るお手伝い中。
でも、屋根のある場所のイスは-
まだまだ現役でした。
路上に落ちてたホップみたいな実。
なんじゃろ?って思ってたら-
ヒント発見。
クマシデの実だったのね。
切り株にもキノコ。
かき揚げにしたら美味しそう(猛毒かも)。
「竜神平まであと○○m」みたいな道標があってもいいかなぁ。
⑪ジジババブナのある休憩所目前の階段は、
倒木がごろり、通せんぼ。
階段を登るとブナ婆が出迎えてくれる休憩所。
ブナ婆は大きな枯れ木です。
谷向いたベンチにも久しぶりに座ってみたけど、
木が邪魔して展望はゼロでした。
僕は昔からこの休憩所にあるブナの枯れ木が大好きで、
ブナ婆って呼んでます。
もっと枝が伸びていたんですが、
ほとんど折れてしまったようです。
婆があるなら爺もいるわけで-
竜神平側のササ原にある枯れ木が-
ブナ爺で、巨大なサルノコシカケが取り憑いてます。
※数年後、再訪すると、爺も婆も倒れていました。
それだけでなく、倒木となった姿は見る影もなく、
カブトムシハンターらにより、ほじくり返されていました。
太かった幹がおがくずのように粉砕され、
まるで、はらわたをえぐられ、バラバラにされたような姿。
涙が出そうなほど、哀しかったです。
休憩所を過ぎると下り坂に変わり、下り坂は谷を横切るまで続きます。
休憩所まで来れば竜神平は間近です。
⑫坂を下って谷を横切る場所には溝があって-
岩で縁取られた溝はちょろちょろな水の流れ。
溝をまたいだら、今度は上り坂。
⑬坂を登り、道が水平になると、
周囲はササ原と針葉樹の植林帯に変わります。
植林帯の縁を歩いて行くと-
⑭竜神平の入口に着きます。
まっすぐは上林峠へ至る道、竜神平へは右折します。
「← 上林峠 風の森(風穴)→
竜神平 皿ヶ嶺→」
こちらは、上林峠への道。
竜神平への道はササが刈られて歩きやすくなっていますが-
なぜか道が轍みたいになっています。
長い間に大勢が好き勝手に歩いたからです。
奥の竜神平から、先着した登山者らの、
楽しそうにはしゃぐ声が漏れ聞こえてきます。
間を開けてまた林へ入ると-
⑮竜神平から山頂へ向かうふたつの登山道のひとつ、
十字峠を経由する道の分岐がある場所です。
案内看板の前が登り口です。
道標がふたつほどあるので、分かりやすいと思います。
「頂上 ↑」「← 竜神平 風穴→」
「← 山頂 六部堂」
「皿ヶ嶺周辺案内図」は登山者の指摘で一部修正され-
現在地や登山道が書き改められました。
山頂、三角点の位置が明確に区別されてます。
⑯竜神平に到着しました!
ひとりごと | ||
いつもの場所にスクーターを駐め、支度を調え、お山歩スタート。 登山道はほぼ、以前のままでした。 休憩所に着いて一休み。 上林峠への分岐を過ぎ、問題の看板、「皿ヶ嶺周辺案内図」へ。 看板を確認し、竜神平小屋の方へ。 |
||