扇山・円山は、砥部の里山、みかん山です。
町内がほぼ丘陵地にある砥部町は、砥部川が流れ刻んだ狭い谷に位置し、河岸段丘状の地形に南北に走る国道33号線や集落が集中しています。
その狭い谷を形成する山並みは、皿ヶ嶺連峰の稜線が三坂峠付近から北に枝分かれした格好の山塊です。
東側は砥部川や御坂川に挟まれた大友山や、動物園や県営総合運動場が置かれた小規模の丘が並んでいます。
西側は障子山や行道山など伊予市に含まれる山山が厚く連なっています。
その西側の丘陵地は、大小の河川によって浸食・分断されてできた標高300m~150mほどの山山が居並んでいます。
扇山・円山もその西側丘陵地に位置する山山です。
国道沿いの町から見ると、扇山、一山はさんで円山の順で並んでいます。
砥部町のキャッチフレーズ「清流とほたる 砥部焼とみかんの町」ー。
町周辺の山山は、なだらかな山肌を活かした柑橘類栽培が盛んで、扇山、円山も山頂までみかん畑に利用されています。
扇山、円山、ともに現代の地形図上では無名峰扱いです。
両山名が登場するのは、明治32年に陸軍が作製した『松山市近傍地図 2万分の1』です。
扇も円も、丸いなだらかな山頂地形を形容したものでしょう。
扇山から円山のある田ノ浦地区へ向かう農免道路途中の山間には、ため池が点在。
町のゴミ処理場・美化センターや田ノ浦町民広場などもあります。
そのそばに、ひと山まるごと造成開発された砥部工業団地が以前、ありました。
経済環境の変化を受け、農村の活性化を主眼とした多目的用途団地「夢の里とべ」として転換されました。
ソーラーパネル9520枚、出力2380キロワットの大規模太陽光発電所(メガソーラー)が建設されています。
今回、場所は少し離れていますが、七折の観光梅園も訪ねました。
七折地区は味と質の良さで知られる「七折小梅」の産地です
毎年2月下旬~3月上旬にかけて「七折梅まつり」が開催されています。
園内には約30種類、1万6千本のウメが咲き、梅加工品や農産物の販売、餅まきや梅の種とばし大会などのイベントも行われます。
砥部町には江戸時代からウメが植えられており、ウメは町の花となっています。
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