土小屋から 2014
弥山~天狗岳~南尖峰 | ||||||||||||||||
①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪ | ||||||||||||||||
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①弥山山頂から望む石鎚最高峰の天狗岳。
多くの人が最高峰目指して細い細い稜線をたどっているのが見えました。
僕が天狗岳まで行ったのはもう十数年前、
久しぶりに行ってみようと思いました。
雲は東側に次々と湧いていましたが、
天狗岳まではまだ押し寄せていない様子でしたが、
それも時間の問題だったので、ちょい急ぎ気味で行ってみました。
天狗岳に行くには、まず、岩場を鎖で降下し-
人一人分の幅の尾根を慎重にたどります。
鎖はひとつ、混雑時は登り下り10人ずつ交代で。
一二三の鎖に比べたら、細く手がかりのない鎖。
一番難しかったとの声もありました。
②降りる岩場はこんな高さで、ほぼ縦に降りる感じです。
下りは特に鎖を頼らないと降りられないので、時間がかかります。
なので、登り下り、声かけして、交代交代じゃなきゃ、です。
降りた岩のテラスも広くないし、左右は崖、
人が溜まると危険です。
とっとと先へ進みましょう。
岩のテラスを振り返って。
ここでひるんだり、つまずいたりしてたら、
引き返された方がいいです。
切り立った尾根の左右は、下を覗くのも怖いほどの崖。
不用意に踏み外さないように。
冗談でも人の背中を押したりしちゃ、
冗談じゃ済まないことになりかねないのでやめませう。
基本、土と岩の上を歩きます。
怖いからと云って、ササや灌木を踏んで歩いちゃ、
ダメよ、ダメダメ。
③岩の表面が乾いていたので、上を歩いても滑ることもなかったけど、
視界に底なしのような崖っぷりが入ってくるので、
高いところの苦手な僕は、自然、へっぴり腰で歩いてました。
天狗岳目前の茂みに道は見えませんが、
進むにつれ、踏み跡が現れてきます。
写真中央の岩場登りが大変で、岩尾根をたどるのが一番近道だけど、
左側は200mほどの崖になっています。
少し右に下り、ササの生え際を進み、岩を縦によじ登るのが、
子供でも登れるルートになります。
縦の岩場まで、こんなところを歩いて行きます。
写真は、縦の岩場から振り返って撮影。
大抵は、ササの生え際を歩いています。
でも、踏まれた生え際は後退し、結果、荒廃に繋がるので、
ホントは、岩の上をどうにかして歩くのが最善なのですが、
云うは易し、自然守って命守らずじゃ本末転倒。
灌木の間の踏み跡はこんな感じ。
あんまりハッキリとはしていませんが、
ササ原にほんのり、分け目が入ってるところが、
道になっています。
④子供でもって云ったけど、こんな縦の岩場です。
あくまで、大人のサポートで子供でも登れる岩場です。
三点支持を忠実に守ってよじ登ります。
で、待っているのが山頂、ではなく、さらに足が震える岩場…。
自然保護に徹するなら、切り立ったエッジを行くべきでしょう。
でも、強風に煽られて落ちでもしたら、
新聞の見出しはただの転落死、自然保護の想いは二の次…。
僕は命大事、申し訳ないけど、
生え際や灌木の合間の踏み跡をたどらせてもらいました。
でも、根っこすら踏まないよう、
気をつけてくこと、第一でした。
⑤でも、いつまでも安全な場所に潜んでいるわけにはいきません。
最後は意を決し、また岩場にへばりついて登ります。
天狗岩を形成する岩盤、東側は切り立っていて、
恐る恐る覗くと-
百数十メートルの奈落にくらくら (>_<)
表参道でも遠望して気を逸らせます。
反対側がこんな崖になってる岩場を登るときは、
急な地震とか想像するのはやめた方がいいです。
一度、崖をのぞき込んでしまったら、怖さの方が勝ってしまい、
一挙手一投足が力んでしまいます。
⑥そして岩尾根歩き。
当然、左側は切り立った崖なので、
ササの生え際に降りて進むもよし。
⑦天狗岳に到着っ!
当時、記念撮影の順番待ちができていて、
数分待機してようやく、無人の山頂を撮れました。
頂には祠がひとつ、根方に木の山頂標が置いてあります。
山頂標、台風とかでよく飛んでかないものだなぁ。
雲に邪魔されずに見えた西側のパノラマ。
ここが石鎚山の最高地点で、石鎚三十六王子社の最期の地。
「王子」とは石鎚には修験者を守護し、導いてくれる神霊。
古道沿いに36ある王子の第36番がここ、「天狗嶽王子社」です。
三角点はありません(多分、宗教上の配慮で)。
ここで引き返してもいいのですが、
この先に、ほぼ同標高の南尖鋒と呼ばれる頂があるので-
向こう側のこんな岩場をよちよち降りて-
懲りずに行ってみました。
⑧また生え際を進みました。
こんな岩場なので、雲の湧いて谷底が見えなくなったのは幸い。
⑨そしてまた、縦に登る場面。
もう、こうなったら、怖いもなにもない、行くしか、だわ。
天狗岳を振り返って。
ね、文字通り切り立った崖側、
すぱーーんと切れ落ちてて凄いでしょ。
⑩岩と白骨林、灌木を避けたり、よじったりして-
頂目前の茂みに四苦八苦しつつ-
⑪南尖鋒に到着ですっ!
こちらには祠とかありません。
地図上では天狗岳と同標高ですが、
雰囲気的にも、写真左奧の天狗岳より低く感じます。
やはり、ここも東側はすとーんと切れ落ちているので、
気をつけましょう。
東稜と呼ばれる岩稜はまだ続いていて、
大砲岩や墓場尾根と呼ばれる、
柱状節理のように柱状に割れ立った岩場があります。
土小屋ルートの「ベンチ3」にある東稜ルートは、
この岩場を往来します。
岩稜はますます荒々しく、危険度も増すので、
僕はもうこの先へ進むのはやめました。
お昼ご飯もまだだったし、振り返ると-
⑩いよいよ、雲が尾根を追い越そうとするまでになってきたので。
④弥山にも“龍”が登り迫ってきました。
時折、姿を隠す、大勢が群れている頂。
②弥山によじ戻る最後の岩場まで戻ってきました。
鎖がひとつしかないので、10分ほど順番待ちしました。
でも、上には降りたい人がもっといて、次々に降りてこようとして…。
10人ずつでお願いしますと、下から呼びかけて、
なんとかスムーズに戻ることができました。
振り返り、天狗岳を。
雲は越えそうで越えず、吹き昇るような雲の壁ができていました。
①弥山山頂に戻り、やっと昼食。
石垣の下に見つけた空き地に荷物をデポしてました。
戻ってくると、手前に香川からの青年がいて、
しばし、談笑。
青年が天狗岳に向かった後、いつものインスタント・パスタを。
ぐつぐつ、そして、はふはふ。
おまけ。
下山時には山頂は雲に覆われて-
薄暗い帰り道になりました。
二の鎖元もガスの中。
「ベンチ3」を過ぎたところでようやく、太陽と再会。
でも、土小屋はまた雲に負けてしまったようです。
往きに大変だった坂道辺りからガスにまた包まれました。
ひとりごと | ||
登ってるときから、行こうか、どうしようか、迷ってた天狗岳。 天狗岳に通じる稜線へは、まず、鎖を伝って10mほど、岩場を降下しなければなりません。 久しぶりに降り立った岩稜。 西日本最高峰目前、岩をちょっとよじ登り、切り立った崖を真横に見つつ、そろそろ歩き登ります。 天狗岳山頂でも、記念写真を撮る行列ができてました。 山頂に座り込んでる人がいて、写真に映り込むのでどいて欲しい、と云うかホント、邪魔でした。 さて、天狗岳から更に南を目指し、南尖峰まで歩を進めました。 時計を見ると12時も過ぎていたので戻ることに。 ちなみに、入れ替わるように鎖場を降りてきた最後の数人は中国人でした(会話から)。 さて、天狗岳に向かう際、荷物は山頂岩盤を2mほど下った岩陰に置いて置いてってました。 そんな風に長居したせいで、下山開始は午後2時前に。 午後3時半、無事、土小屋着。 と云うわけで、石鎚山お山歩、終わりです。
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