千変万化する自然は気まぐれで、無慈悲です。 |
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これからお山歩を始めたい方、軽登山向きのアドバイスです。 |
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行き先を知らせておきましょう | |
もしもの時、あなたを探してくれるのは、 生きてる間に見つけてもらうため、「行き先」は当然ながら、
でも、一番役に立つのは登山届け(詳細はのちほど)。 携帯電話は谷や深い森では圏外で通話不能になること多し。 |
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お山選び | |
日本中、私たちのまわりはお山だらけ。
自分に合った山、ムリのないお山を選ぶこと、そこが一番大事な基本です。
インターネットの楽しい山行記事から選ぶときは、自分のレベルに合っているか、よく注意しましょう。 お山選びの目安は、登山口のアクセスの良さ、整備された登山道や道標、危険カ所や難所の有無、
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よく調べよう | |
人気のお山だからって、誰でも山頂に立てるわけではありません。
団体ツアーに参加するときも必ず下調べを。
資料や情報に登場する、 地図を必ず入手しましょう。
ガイドブックの情報は最新ではありません。
季節によって自然は大きく変貌します。 |
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計画をきちんと立てよう | |
日帰りでもきちんと計画。 1日の行動時間は8時間以内が原則。
行動時間はガイドブックや登山地図のコースタイムを参考に。
タイム・スケジュールは余裕をもって。
休憩は1時間ごとに10分くらい。 午後3時をタイムリミットに。
登山口へのアクセス時間も調べておきましょう。
テントや小屋泊りのある数日にわたる山行は天候悪化で停滞を余儀なくされたときのために予備日があると安心です。
縦走や周回コースなど、長距離を移動する場合は、いざというときのためのエスケープ・ルートも設定しておきましょう。
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装備を整える | |
登山用品 日帰り登山やハイキング、山菜採りなど、近場のお山だからと軽装で出かけ、遭難する例が相次いでいます。
登山グッズはイコール、サバイバル・グッズです。 登山靴、ザック、雨ガッパ は三種神器と呼ばれています。
1.タオル 2.帽子 3.ザック 4.雨具 5.防寒着 6.手袋 7.トイレットペーパー 1.タオル 2.帽子 3.ザック 4.雨具 5.防寒着 6.手袋 7.トイレットペーパー 2000mオーバーの高地、連泊縦走などではさらに揃えておきたい装備があります。 初心者は、「遭難」の二文字を恐れるあまり、必要以上に持って行こうとする傾向があります。
ウエア ウエア選びは快適な登山のためにとても重要です。 ・基本的に、100m登るごとに気温は0.65度低下します(標準的な大気)。 インナー=下着に求める機能は汗の速乾機能です。 全体的には、ストレッチ素材で伸縮性のあるもの、重ね着しないでも保温性のあるもの、脱着のしやすさを目安に。 スポーツタイツなど、関節の保護や疲労回復に効果がある衣類も取り入れましょう。 必ずしも登山用品でなくてもOK、自宅にあるもので始めてもかまいません。 色柄は自由ですが、遭難時、カラフルな方がヘリから見つけてもらいやすいでしょう。 |
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水と食料 | |
水 水は登山中に汗で失われる水分の80%は最低、必要です。
スポーツドリンクなどを上手に活用し、汗で失われるミネラル分を補給しましょう。 コース途中の水場は渇水であてにできないことがあります。 食料 ポケットにたまたま入っていたアメ玉で生き延びられた人もいるくらい、食料は重要です。
おやつなどの携帯食は山行中の低血糖や塩分・ミネラル喪失を補えるほか、万が一のときは非常食になります。 ダイエット目的の登山は危険ですから、食事制限は帰宅後に。 子供の栄養摂取には気を配りましょう。 |
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体調を整える | |
普段からウォーキングや筋力トレーニング、ストレッチで体を整えておきましょう。 持病のある人は、医師にまず相談を。 |
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そのほか | |
登山届の提出 ・万が一のとき、生きている間に見つけてもらうための大切なものです。 装備の再点検 ・登山中に使えなかったということがないように日頃から点検しておきましょう。 |
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早めの入山、早めの下山を | |
早めの入山、早めの下山を |
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心に迷いが生じたら強行しない | |
不安は予感かも… 体調が思わしくない… 天候が気がかり。 山と自分のレベルの差が大きいと感じる 装備 山は逃げません 団体行動の場合 |
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入山直前 | |
準備体操、ストレッチを 装備の再点検 登山口・登山道の再確認 マイカーなどの駐車位置 |
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登山中の注意事項 | |
歩く速さは鼻歌を歌えるくらいの速さで 歩幅は小股、すり足気味で こまめな水分補給
休憩 地図を見るクセを 地図を見ないで歩けるのが上級者、という考えは間違いです。 点在する赤テープやピンクリボンは、登山用とは限りません。 曇り空の時に道迷いが多く発生 「登り優先」は臨機応変に 道を譲る際は山側で待ちましょう。 早めの下山 「リスク」の語源はイタリア語で「勇気を持って試みる」 |
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自然保護 | |
動物に危害を加えない。 野生動物にエサを与えない、弁当の食べ残しは持ち帰る。 ヒナや、ケガした動物を見つけても連れ帰らない。 高山植物の無断採集・伐採、踏みつけ注意。 深くえぐれた登山道を嫌い、路肩を歩くと、小さな貴重な花を踏みつけてしまうことも。 山菜泥棒をしない。 歩きタバコ禁止、たき火は指定場所以外では行わない。 ゴミは必ず持ち帰る。 動物は臆病。 |
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迷ったら… | |
山は自己責任、セルフレスキュー 「迷った…」と思ったら、すぐに立ち止まること。 夜間はむやみに歩き回らない 同行者と離れない 救助ヘリから見える場所で待機 救助要請後はその場を動かない |
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ちなみに… | |
捜索費用について |
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登山届け(登山計画書) | |
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登山届け(登山計画書)のダウンロード | |
山と溪谷社版 → PDF ※愛媛県西条警察署では、以下の書式を採用しています。 日本山岳・スポーツクライミング協会版 → ワード版 日本山岳・スポーツクライミング協会版 → PDF版 ※記入例は、→ こちら |
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登山届け(登山計画書)の必須事項 | |
目的 | 個人山行、例会山行、各合宿、新人訓練、個人錬成など |
登山方法 | 日帰り往復、日帰り縦走、小屋泊周回、小屋泊スキー縦走、テント定着、テント集中、テント放射、テント登攀など |
目的の山域山名 | ○○山域 ○岳~□岳 山域 △岳~◇岳 ○○連峰 山域 ◇岳~□山 独立峰などの場合 ○○郡○○村 山域 ○○山など |
現地連絡先 | ○○ヒュッテ TEL xxxx-xx-xxxx ○○山荘 TEL xxxx-xx-xxxx ※入山地の山荘、登山の基地となる山小屋や通過する小屋名と電話番号を記入 |
任 務 | 山行チーフリーダー、サブリーダー、装備担当、食糧、会計、記録、医療、気象など。 なければ空欄で。 参加者の氏名、生年月日、年齢、性別、住所、電話番号、緊急連絡先の氏名と電話。 |
行動予定 | XX/XX ○○登山口(○:○○)○○小屋(○:○○)○岳(○:○○)○○岳山荘着(○:○○) できるだけ詳細に。 |
行動予定の備考 | 悪天候や体調不良時に緊急下山するコース(エスケープルート)をあらかじめ設定して書いておきます。 |
食料 | メンバー1人当たりの食料、何食分か。 |
基本装備(軽登山向き) | |
ウエア | 日帰り | 1泊 | 参考重量(g) | 備考 |
長袖シャツ | ◎ | ◎ | (270) | 乾きが速く季節に応じた保温力のものを。綿製品は登山には不向き |
半袖シャツ | ◎ | ◎ | (200) | 肌に直接着るTシャツなど。乾きやすく伸縮性の高いものがよい |
ズボン | ◎ | ◎ | (300) | 楽に屈伸できるサイズが必要。化繊主体かウールの入ったものがよい |
下着パンツ | ◎ | ◎ | (50) | ふだん使っているものでよいが、登山向きの化繊製品も出ている |
靴下 | ◎ | ◎ | (100) | 中厚手ウールまたは化繊ソックス1枚が標準。なるべく良質のものを |
防寒着 | ◎ | ◎ | 200~400 | ウールやフリースのジャケット、ベスト、ソフトシェル製品など |
雨具(レインウェア) | ◎ | ◎ | 500~700 | 透湿性防水素材で上下セパレート型のレインスーツがよい |
ウインドブレーカー | △ | △ | 300 | コンパクトで便利な防風・保温着。休憩中や行動中にサッとはおれる |
帽子 | ○ | ○ | 80~150 | 春~夏は日よけ用、秋~冬はウールか化繊で耳までおおうものを |
手袋/軍手 | △ | ○ | 100 | 寒い季節には薄手か中厚手のウール手袋が重宝する |
着替え(下着・ソックス) | △ | ○ | 150 | ウェアを濡らしたときの非常用として用意。短いコースでは不要 |
歩行・行動用具 | ||||
登山靴 | ◎ | ◎ | (600~1200) | 3~4時間以上のコースでは足首までカバーするしっかりしたものを |
ストック/ステッキ | △ | △ | 280 | 脚力の弱い人などの歩行を助ける。とくに下り、雪道、凍結路で効果的 |
ザック | ◎ | ◎ | 600~1200 | 日帰りには20~30㍑、泊まりには30~40㍑程度でフィット感のよいもの |
ザックカバー | △ | △ | 150 | 雨天時に使用。激しい雨のときは浸水を防ぎきれないので注意 |
スタッフバッグ | △ | △ | 一 | 装備の仕分けや防水に使うナイロン袋。完全防水生地のものが便利 |
ビニール袋 | ◎ | ◎ | 10 | ゴミ入れ袋や、濡れ物、汚れ物などを入れるのに使う |
傘 | △ | △ | 200 | 雨があまり激しくないときや、林道・車道、町を歩くときなどに便利 |
水筒 | ◎ | ◎ | 50~200 | 1人1日1㍑が標準。真夏の登山や子ども連れのときは多めに |
保温ポット(テルモス) | △ | △ | 250 | 1人350~500cc。寒い季節は体を温められるので積極的に使いたい |
ヘッドランプ | ◎ | ◎ | 90~185 | どんな短いコースでも必携。頭につけて両手が自由になるものがよい |
予備電池 | ○ | ○ | 65 | 万一に備えて1セットを常備しておくとよい |
ナイフ | ◎ | ◎ | 25~100 | 修理やケガの手当てなど多目的に使う。小型のアーミーナイフが便利 |
コンパス | ◎ | ◎ | 30 | 簡単なものでよい。本格的な読図にはプレート付きのタイプを使う |
地図 | ◎ | ◎ | 100 | 登山・ハイキング用の地図か、国土地理院発行の2万5000分ノ1地形図 |
サングラス | △ | △ | 30 | 日差しの強い高山、高原などで目を守る。とくに残雪のある山では必携 |
カメラ・付属品 | △ | △ | 200 | 一眼レフなど重くかさばるうえ付属品も多い。自分の体力と相談して |
時計・高度計 | ◎ | ◎ | 60 | 時計は必携。高度(気圧)・温度・方位計測機能付きが役に立つ |
手帳・筆記用具 | ○ | ○ | 50 | 筆記具は耐水性のものを。濡れても書ける手帳が市販されている |
コース資料 | △ | △ | 30 | ガイド本の必要ページなどをコピーして持参する |
生活用具 | ||||
ストーブ(コンロ) | △ | △ | 100~500 | ガスカートリッジ式がよい。必携ではないが山の楽しみが広がる用具 |
燃料 | △ | △ | 150~300 | 日帰りには100g入りのミニサイズでも充分。固形の簡易燃料もある |
小型コッヘル | △ | △ | 120~250 | ストーブとセットで持つ。500cc程度のお湯が沸かせるものがよい |
カップ | △ | △ | 50~100 | 流水をすくって飲んだり、キズロを洗うときなどにも使う |
ティッシュペーパー | ◎ | ◎ | 50 | トイレのほか食器ふきにも。まとまった量が必要ならロール紙が便利 |
タオル/バンダナ | ○ | ○ | 30 | ヘアバンド、ネッカチーフ、汗ふき、洗顔、包帯(三角巾)代わりに |
洗面用具・お風呂セット | △ | △ | 50~150 | 基本的に登山中は使わない用具。コンパクトになるように工夫する |
修理・裁縫用具 | △ | △ | 50 | 小さなソーイングキットが売られている。テーピングテープも便利 |
防虫薬 | △ | △ | 50 | 低山や沢沿いのコースなどで蚊やブユの発生が予想されるときに |
日焼け止め | △ | ○ | 50 | 一定の年齢以上の人には準必需品。炎症を防ぐため塗ったほうがよい |
緊急対策用具 | ||||
ツエルト/レスキューシート | △ | △ | 100~400 | ツエルトのほうが用途が広く応用がきく。非常に軽い製品が出ている |
ライター/マッチ | ◎ | ◎ | 40 | 非喫煙者は忘れがち。小物袋に100円ライターを1個入れておく |
ファーストエイドキット | ◎ | ◎ | 200~300 | キズの手当てができる最少限の救急用品、医薬品をセットで |
非常食 | ○ | ○ | 300~400 | 疲労困懲したときでも食べられるものを2~3品用意しておく |
身分証明書 | ◎ | ◎ | 5 | 運転免許証、山岳保険加入者証、健康保険証など |
健康保険証 | ○ | O | 5 | コピーでも可。ファーストエイドキットのパックに入れておくとよい |
携帯電話 | △ | △ | 150 | 緊急連絡に威力を発揮。登山中はバッテリーを温存するよう注意する |
◎は常に必携、○は持っていくほうがよいが省略も可能、△はあれば便利なもの(コース状況によって考慮する)。 |